KAI
牛革の四大聖地と言えばフランス・オランダ・ドイツ・ポーランド。 「kAI」は、ポーランド産の最高級カウハイドの一枚皮を原皮とし、ベジタブルタンニン鞣しされた素材を使用しています。ツヤやキメ細やかな質感など、非常に高級感のある素材です。 アトリエは、オランダ・アムステルダム郊外のブレダという地にあり、オランダ皮革産業の中心部として長く栄えてきた土地です。「KAI」は100年以上続いているタンナーの工場を借り、そこをアトリエとして製作を行っています。 デザイナーの Kai Hameleers を中心に、同じくアシスタントデザイナーJosa、Davidの3人だけで、全行程をハンドメイドにて行なっています。ミシンやバフ、革の削ぎ機など、全てこのタンナリーに残っていた昔の機器を今でも使用し製作を行っています。 「KAI」のもう一つの大きな魅力はアニリン染色という染色方法です。 最高級素材の表情を殺さず、素材感を活かした染色技法で、ラグジュアリーな物作りにおいてよく見られる染色方法ですが、 彼等は染料を独自に開発し、他では真似出来ない色彩が表現されるのです。 プロダクトの生産方法として、通常の鞄や革小物の製作方法とは異なり、シューズ製作に近い、木型を用いた製法を取り入れています。木型に吊り込んでフォルムを成形するので、縫製箇所が少なくなります。 この工程の中で一度水に浸して革を縮めてから、木型で吊り込んでギリギリまで正確にフィットするように素材を伸ばしています。本来アニリン染色は革の色目や質感が非常にナチュラルに出る一方、水に弱いというデメリットを持っています。 ですが、「KAI」の場合は、一度水に浸しているため、アニリンダイでありながらも水への耐性が高いという特徴を持っています。